ヨガで新年度をスムーズにスタート!

 

学校現場では、年度終わりの卒業式を迎え、新たな新入生を迎える準備がなされる3月です。寂しくしんみりとした気持ちもそぞろに4月のより良いスタートに向け、子どもたちや保護者はもちろん、学校の先生たちもどのような生徒が入学してくるのか楽しみでもあります。

「中一ギャップ」- 教育現場の現状

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「中一ギャップ」という言葉はご存知ですか?これは、小学6年生と比べて、中学1年生における調査において、暴力行為の加害児童生徒数、いじめの認知件数、不登校児童生徒数が大幅に増える状況を指し、学校接続の問題として使われています。

その原因として、小学校では、学級担任制であるのに対し、中学校では、教科担任制であるという授業形態の違い、小学校段階の学習上の課題を中学校と十分に共有されていないという指摘があります。このような現状の中、「小中連携」「小中一貫教育」という言葉で様々な取り組みがなされています。例えば、小学生が中学校の授業や行事、部活に参加する、中学校の先生が小学校に出張して授業を行う、などです。

また、配慮を要する児童生徒の支援の充実のために、生活指導担当教諭や担任同士が十分な情報共有として書類のやり取りだけでなく、面談をするなどして充実しているところも多くなっています。ただ一方で、この「中一ギャップ」については、小学校5・6年の頃から欠席が目立つ児童が中学に入り、不登校へつながっていることや中学段階の学習内容が難しいためについていけない生徒が不適応を起こしていることが示唆されており、その要因や内容については、詳しく分析する必要もあります。

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家庭でできること

とても大切なのは、保護者がそのことについてどこまで感じ取れるのか、ということです。子どもにとっては、制服を着て、校則があるところへ行くこと、宿題の量が増えることなど、大人からすれば当たり前の変化がストレスとなり得ます。

いつもとは違う道のりで学校へ行くことは大きな不安を持って下を向いて歩いてしまうもの。しかし、大きな不安を素直に表現する子どもは少ないでしょう。

どちらかと言えば、「学校めんどくさい」「なんかイライラする」そのような表現になることが多いように感じます。さらに、たったの数日過ごしただけで「もう中学生なんだからしっかりしなさい」そんな大人の励ましが大きなプレッシャーとなっていることも多いように感じます。

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呼吸で不安を和らげる

不安を抱えた子どもたちをサポートするにはどうしたらよいでしょうか。その1つにヨガの呼吸法があります。

いつも無意識的に行なっている呼吸、実は大変パワフルなツールなのです。ヨガの呼吸法は、この無意識的に行なっている呼吸を意識的に行なっていきます。呼吸法は不安感に対抗する効果があるのです。

脳の下部から始まり腹部まで到達する神経のことを迷走神経といいます。他の機能の中でも、迷走神経は神経系反応を媒介し心拍数を下げます。意識的な呼吸は迷走神経によって副交感神経系を引き起こし、迷走神経はアセチルコリンを放出します。アセチルコリンとは集中力と落ち着きを高め、不安感を減少させる神経伝達物質なのです(Cuda, 2010)。

ヨガの呼吸法

簡単にできる呼吸法をいくつか一緒に行なってみましょう。

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風船の呼吸  (Balloon Breath)

効果:

  • ストレス症状を緩和する

  • リラックス反応を誘発する

インストラクション:

  1. 片手または両手をお腹に置いて、深く呼吸しましょう。吸って、お腹が膨らむのを感じましょう。

  2. 吐いて、お腹がへこみ、小さくなるのを感じましょう。

ヘビの呼吸 (Hissing Breath)

効果:

  • 心を集中させる

  • リラクゼーションを深める

インストラクション:

  1. 3~5カウントで深く息を吸います。

  2. ゆっくり、しっかり吐きながら、ヘビが出すような”S” または、シューッという音を続けられるだけ出し続けます。

  3. 息を吐ききったら、口を閉じ、また鼻から息を吸いましょう。

ハチの呼吸 (Humming Breath)

効果:

  • 心を集中させる

  • リラクゼーションを深める

インストラクション:

  1. 鼻から息を吸います。

  2. 吐いて、ミツバチの「ブーン」の”ンー”という音を出します。


季節の変わり目は、心も変わり目。子どもたちが“学校”というところにどんな気持ちで向かっているのか、想いを馳せることも大切かもしれません。


参考文献

中央教育審議会 初等中等教育分科会 学校段階間の連携・接続等に関する作業部会 (2012)「小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理」,http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/045/houkoku/1325182.htm (参照2019-3-12)

鈴木佳代子 (発行年不明) 「『中1ギャップ』を解消するための『中学校1年生支援』の在り方」, http://www.center.shizuoka-c.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=453 (参照2019-3-12)