呼吸法は、あなたが呼吸と身体のコントロールをできるように促します。大変パワフルなツールである呼吸は、副交感神経系と交感神経系の活動に直接関係しています。私たちの経験によって、私たちの脳は無意識のうちにこれから起こりうるであろう物事の反応に対して呼吸の質を適応させます。この無意識の反応は、ストレスを増大させたり、又はエネルギーを低下させたりして、達成したい物事を達成できなくさせる可能性があります。

意識的な呼吸は、あなたが呼吸を適応的に行っているとき、行っていないときの意識をはっきりさせる実践をさせて、より効果的に呼吸をシフトさせるツールを提供します。緊張をほぐし、集中力を高めることによって、意識的な呼吸はあなたと生徒たちがより今おかれた状況に意識を向け、集中できる空間を作り出すことができるでしょう。

意識的な呼吸をする時間を見つける10の根拠に基づいた理由は下記の通りです:

1. 呼吸回数や呼吸容量を改善する

呼吸筋を鍛え、肺コンプライアンス、酸素摂取の効率性を高めることで、ヨガは心肺持久力を増進します。(Sengupta, 2012; Birdee et al., 2009).

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2. 有酸素容量を増大する

Yoga Ed.のプログラムを年間通して参加した生徒の中に有酸素容量の大幅な増大が見られました (Slovacek, Tucker, & Pantoja, 2003)。呼吸器の健康におけるヨガの効果は、その高度な呼吸の制御力によって説明できます。ヨガの実践者は練習中に呼気と吸気に集中して意識的に呼吸のコントロールを練習します。

3. 血圧と心拍数を下げる

一貫して制御された呼吸を行うことで、血圧と心拍数を下げ血管の劣化を抑えます (Anderson et al, 2008)。

 

4. リラックスさせる

深呼吸をすると脳に落ち着いて休息をとるようにメッセージが送られます。すると、脳は休息をとるように身体に信号を送ります。深呼吸は身体のストレスを低下させ、リラクゼーションを高めます。物理的な影響としては、呼吸の速度が緩まる、心拍数が減る、血圧が低下するなどが挙げられます (Joseph et al., 2005)。

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5. ストレスに対抗する

呼吸は筋肉を弛緩させ、ストレスのフィードバック・ループを遮ります(Ratey, 2008)。
 

6. 不安感に対抗する

脳の下部から始まり腹部まで到達する神経のことを迷走神経といいます。他の機能の中でも、迷走神経は神経系反応を媒介し心拍数を下げます。意識的な呼吸は迷走神経によって副交感神経系を引き起こし、迷走神経はアセチルコリンを放出します。アセチルコリンとは集中力と落ち着きを高め、不安感を減少させる神経伝達物質です(Cuda, 2010)。

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7. 前頭前皮質の強化への期待

前頭前皮質は自己への気づき、注意力、感情の統制を司ります。呼吸法は自分の身体を使って意識的に自分を落ち着かせる方法を生徒に教えます。これらのテクニックは、積極的にリラクゼーション反応を誘発し、ストレスの・フィードバック・ループを遮断します。最近の研究では、ストレスに対する感情の統制を自発的に行う生徒たちは、前頭前皮質に大きな活動が見られ、扁桃体の活動が優れ、体内のコルチゾール値が少ないことがわかっています (Davidson, 2008)。

8. 生徒の意識、注意力そして動機づけを管理する

緊張をほぐし、集中力を高めることによって、意識的な呼吸はあなたと生徒たちが今おかれた状況に意識を向け、集中できる空間を作り出します。ダイナミックな呼吸法は脳内にある多数のネットワークを連動させます(Ratey, 2008)。多数のネットワークが連動すると接続性が増します。生徒たちが学習内容とのつながりを感じるとき、深い理解と学習が起こります。

9. 学習意欲を高める

学習意欲を持つには、注意力、動機、好奇心、ストレスや心労の少ない状態が必要となります。ヨガはさまざまな方法で生徒たちが学ぶ下準備をします。呼吸法とヨガポーズは生徒たちの意識、注意力、動機を引き出し、動的なシークエンスは脳全体の複数のネットワークを作動させます(Ratey, 2008)。また、リラクゼーションは生徒にストレスや心労を解除する手段を教えます。そのうえ身体運動としてのヨガは脳内に酸素が豊富な血液を増やし、脳の機能を向上させます。

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10. 自己統制力とライフスキルを築く

個人の精神的、感情的、身体的な状態をシフトさせるために呼吸を使う。この能力を自己統制と言います。自己統制とは個人の健康と責任の基礎を築く大変重要なライフスキルです。生徒たちが感情や思考、そして行動を自己統制するその能力は、学校生活へのレディネス、学業成果そしてこれからの社会生活での成功の重要な予測因子であると認識されています(Durlak et al, 2015)。